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舞台装置のカタルシス



僕は知っています

君が僕と共に居た事も、僕が君に成る可能性が有った事も

だから、僕は君を知っています

残念ながら、僕は舞台に立てません

僕は舞台装置であり、観客です

君達が演ずる演目をただ、観ています

予定調和の物語は台本を失って、記録され続けていますね

大丈夫ですか?


あぁ、いえ

大丈夫なんですね

だって、台本自体が途中から白紙の様です

役者には見えない台詞と描写が書かれています

僕は知っています

僕は役者では在りませんから



役者の1人は意味を成していません

でも、彼女は完璧なまでに不義を演じていますね

アルキバは飛び、ファクトは戻り

彼の見せ場が近付いて居ます

あぁ……悲しいです……

敢えて空白の役者名に染め上げられるのは

繰り返す結末ですか?

それとも、干渉者が望むアドリブ?


ロゴスは伝わらず、想いは届かず

僕は不良品の舞台装置

隣に居た君の最期を観ています

ねぇ

13の点が輝いたら、君は去ってしまいますか?

ポラリスの玉座が移る時、僕は君を愛せますか?

飛び散る飛沫に染め上げられる

君の呪いが因果律を裂けますか?

まだ、足りませんか?


僕は知りません

でも、それで良いのです


僕は壊れた役者擬き

君達を愛する、ただの観客でしか無いので







開幕ベルを鳴らしましょう
緞帳を上げて、灯りを点しましょう

僕は舞台装置


尽き果てるまで回り廻る

何時か誰か、僕を愛してくれるでしょうか?

周り廻る舞台

何時か幕が、降りますようにーー…………











「      」って呼ぶ声が聞こえた



「お兄ちゃん、だいすきっ」

笑う宝物を受け止めて笑った

小さなこの子の為なら、怖くないよ

君を傷付けるモノから、守ってあげるよ

離れてたって大丈夫、俺は足が速いから

すぐ飛んでいってあげる

ちょっと頼りないかも知れないけど、

俺はこの子のヒーローだから、頑張れるよ









「兄さん」

そう呼ばれてさ

あの子はいつも俺の後をついて来た

大変な事は半分こ、嬉しい事は持ち寄って山盛りにして

なんでもない今日が幸せだった

だけど、どうして?

どうしてあの子はここに居ないの?

どうして俺の両手は染まってるの?

どうして どうして…………









「兄さん」

伸ばされた2本の腕

触れられないの、解ってる癖にね

だから、片手を降ったんだ

ばいばい、ごめんね

お兄ちゃん、だいすきだからさ

ごめんね、ありがとう……大好きだよ……








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