延々と繰り返す結果。
廃墟区画、延いては世界線に起きるループ現象。
「世界だろうが、何だろうが、存在するモノは最初から誘導される……そうだろう?」
パチン、乾いた両手を叩く音。
「さぁ、予定調和だ。 退屈だな」
「生命と呼ばれるソレは簡単に動く」
「全ては設計図通りに。
多少の不具合すら想定の範囲内だ」
「理解する必要は無い、問題が無い。
それは彼奴が調整し導き出した、Q.E.F.」
「君が僕に望む命令」
「俺が実行する出力演算」
「……TCGAAGTCGCATTGCA……」
「……AACGTGGCTGATCGTA……」
「彼が設定した、それらを開始」
「「オボレクハハミクタズシレコキエエテル」」
「「…GGCTACTGAATGTTCCG……」」
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『Reset.』
「僕が創る設計図。 鎖を紡いで実行」
点線繋ぎ、流れを眺めてはやり直し。
盤上世界線。駒と手札を見比べて。
「……CCGTGTAGTAGCAAGC……」
また失敗。
『Reset.』
選択肢の増減、蝶は羽ばたき、蝸牛が現れる。
「ディシジョン、A」
さぁ、進み出す。
駒が一斉に動き、奪われ、壊れる。
手札を切り捨てては、手を伸ばす。
「「オワレタハシキハミシヲタコガロウス」」
「……AAGCTGTGCCGTGTAG……」
『Reset.』
「「ボオクレガハアアイイスシルタ」」
「……CACGTGGCTGATCGTA……」
『Reset.』
王を奪われる前に盤上を越える。
だが、それでは勝てない。
「「オワレタハシオハレワダタヨシ」」
「……AAACTCAGGCGTTGCAGTC……」
『Reset.』
「そろそろ辞めてしまったら?」
「僕は敗けられない。
此処から離れられないんだよ」
「そろそろ諦めてしまったら?」
「僕は諦めない。
例え全てが終わってもね」
「そろそろ受け入れてしまったら?」
「僕は認めない。
無謀だろうが、やるしか無いんだ」
「誰も貴方に望んでない」
「それでも」
「誰も貴方を望んでない」
「それでも」
「誰も貴方を覚えていない」
「構わない」
「どうして?」
「個よりも大事なモノが在る」
「貴方よりも大事なモノなんて無い」
「僕よりも君が……」
『Reset.』
事前入力を済ませて、再び向き合う盤上。
60億×70億×無限の選択肢≠幸福。
「……GCCATTGAAACTCCGT……」
『Preset.』
実行します。
Y←
N
『Error.』
『Error...not found...U.』