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支え合う存在

◆このバトンは、製作者が考えた5つのお題に沿って、イラストや小説などを書くバトンです。

◆二次創作でも良し、オリジナルでも良し。

◆書き方は自由。1つの日記にまとめても良し。
1日1つ、というやり方でも良し。

◆バトンという形だけでなく、ネタとして貴方の作品に使用しても構いません。

では、頑張ってください。


―――――ーーーーーーーーーーーーーー


@

任務の無い昼下がり。

授業が終わって一休み…と思った所に、見慣れた長身の姿が有った。

案の定、また道に迷ったらしく、案内をしてあげた。

彼はどうも、機械が苦手で、ミミイを持たないし、携帯すら携帯していない。
(本当に無意味な話だ)

「今度は、何をなさるお積りなのですか?」

自分が持つ工具や資材を見た、彼が問う。

「んんと、間接部の強化と、組立の簡略化とそれから…」

「あぁ、なるほど!

でしたら、ソレをお使いになり、アノ技法なら無理な負荷はなさらないかと…」

「へぇ!そうなんだ!?
ヤッパリ本職は違うなぁ!!」

「そんな事は…」

照れ笑いする彼からは、とても沢山学ぶ事が有るモノで、ついつい長話をしてしまう。

結果として…

「あの、それで技工室はドチラで御座いましたか…?」

「あっ!素通りしちゃったや!!」

…案外、俺達って、似てるんだよね。

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A

二人きりの自室で、無邪気な親友は顔に似合わない思案顔をして、こう切り出した。

「ねぇねぇ、この前さぁ、変な本見付けちゃったんだよねぇ…」

「変な本?」

「そう。何時もはちゃんと俺にも解りやすく教えてくれるのに、その本だけは慌てて取られちゃって…」

「隠し事なんて、珍しいな?」

「うん」

頷く友は、何処か元気が無い。

「どんな本だったんだ?」

あの人が慌てるくらいなら、何か理由が有ったんだと思うんだけど…

「中身は見てないから解らない…ただ…」

しゅん、とした声に耳を傾ける。

「…本棚じゃなくて、布団の下から見付けたんだよね…」

「………あ〜…」

瞬間、何と無く理解した俺は、何とも複雑な気持ちになったのを覚えている。

「何でだろ…?」とうなだれるコイツはそりゃあもう鈍い位の箱入りだ。

親友だから話せる事も有れば、話せない事も有る。

「た、多分日記か何かだったんだよ…」

無邪気で無垢な親友を汚す訳にも行かない俺は、咄嗟の嘘をついた。

あっさりと信じた親友に、僅かな罪悪感と、謝罪を隠した苦笑は今更ながら多少の後悔の種だったりもするのだが…。

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B

廃墟を歩けば、それ相応の危険は付き纏うモノで、一つ間違えればそれが命取りになる事すらある場所だ。

慎重に気配を探りながら歩を進める。

大丈夫、敵性反応は無い。

安心して一歩、踏み出した時だった…。

「危ない!!」

後方の声に素早く半歩身を引く。

刹那、先程頭があった辺りを弾が擦り抜けた。

「機械型…静止してたのか…」

弾の流れを逆流した視線に、少しの距離を隔てた場所から、かつてのセキュリティロボが起動している姿が目視出来た。

「ありがとう」

背を向けたまま、親友に礼を言う。

「気にすんな!それより、来るぞ?」

声だけで表情を読み取った俺は、薄く微笑してから敵に集中し、得物に手を掛けた。

「行くよ?」

「何時でも良いぜ?」

何時だって頼もしい存在だからこそ、俺は言える。

「俺が斬り込む。後方支援と背中は任せた!」

返事は要らない。

ただ敵に向かって距離を詰める。

俺を撃ち抜く筈の銃弾が、金属音と共に落ちる。

なぁ、知ってるか?

お前が居るから俺は死の恐怖に立ち向かえるんだ。

お前にとっての俺も、そんな相棒なら良いな。

瓦礫の山に立ちながら、俺はそう思った…。

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C

「だから!何でそうなるんだよっ!?」

「…この状況なら、有り得る…」

「ふざけんな!!」

何度衝突したかなんざ覚えちゃ居ねぇが、
コイツが俺と合わねぇ事だけは解っているつもりだ。

一人で先を進む。

敵性反応に素早く迎撃、排除。

「…ホラ見ろ、ヤッパリ思い過ごしじゃ無ぇか…」

小声で愚痴った矢先、破裂音と風切り音が横を抜けた。

断末魔に振り返れば、潜んでいた残党がのたうちまわっていた。

「マジかよ…」

呆然と骸を見る俺の側にアイツが静かに近付いて来た。

「…大丈夫か…?」

あぁ、腹が立つ。

「平気に決まってんだろ!?
もう、お前なんて知ら無ぇよ、勝手にしろ!」

吐き捨ててまた前を行く。

…本当は、呆れたお前がついて来るのを見越してるんだぜ?
 
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D

それはもう、恒例の様で…。

「あ〜、煩っせぇなぁ〜…」

「…そんな大声じゃ無い、話を聞け…」

大袈裟に耳を塞ぎ不快な素振りと、静かな忠告を垣間見る。

「…またやってるよ…」

同じチームとしては多少恥ずかしいとは思う。

隣を歩いているお前が、

「相変わらず、喧嘩するほど仲が良いんだねぇ?」

クスクスと笑って言えば、途端に声が返る。

「仲良か無ぇよ、別に…」

「…………」

何と無く罰が悪そうに頭を掻き、視線を逸らす様に、また隣から笑う気配がする。

「テメェ等、笑ってんじゃ無ぇよ」

「あはは、ごめんごめん!」

「いや、別に俺笑って無いけど?」

困惑する俺を余所に、橙の視線は俺の横と、何故かソイツの隣を軽く睥睨している。

「あ、ほら!俺達先に行くね?」

それじゃ!と後ろから背を押されてその場を離れる。

「何なんだよ、一体?」

依然良く理解していない俺に、お前はまたクスクスと笑う。

「結局、俺達が笑ってるのに気付く位、仲が良いって事!」

「は?」

だから俺、笑ってないんだが…?

「ふふっ」

意味深に笑って先を行くお前。

「ちょ、待てよ!」

少し遅れて理解した俺も、後を追う。

俺の友人達はどうしてこう、癖が強いのか…

やれやれ、と笑う笑みすら、こんな仲間が大事な証なのだろう。

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最後に、このバトンをやって欲しい方を指名しましょう。

フリーです!


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