感情前線混線中につき、擦れ違いにご注意下さい。
そんな書き置きを眺めながら、首を傾げた。
なんだそりゃ?
気が付くと何か知らない内に絡み付いてた糸と、
矛先を向ける矢印に囲まれている。
どの糸を引けば君を寄せられるのか解らない。
不用意に引けば何処かが締まって、切れてしまうかも?
君に向ける矢印、誰かから放たれた矢印。
感情ってのは難しいね。
俯瞰して見たら感情線は確かに混迷中、往き来するそれは堂々巡りすら象っていた。
あぁ。世界ってのは、こんな模様の集合体なんだろうか?
漠然と思い当たってみても、正解なんて求めては無い。
心の奥底なんて、視えない位が丁度良いのかもね。
口元を上げて笑みを作って、声を紡いだ。
それじゃあ、俺の感情も、隠しといてね?
なんて。
そろそろ起きてしまおうか。
こんな世界、忘れてしまう為に。
だから、さ。
「おはよう」
俺はまた目を覚まして、微笑んだ。