〜颯刃自室にて…〜
颯刃:ふぅ…久し振りの学園だねぇ…;
赤兎:まぁな、オレ様も疲れたぜ…
ボンクラちょっと肩揉めや
(ポンッと人型になりわざとらしく首を鳴らす)
颯刃:ん、赤兎もお疲れ様!
(にこにこと肩を揉み始める)
赤兎:ったく、オレ様が居ないと何にも出来ないんだからよ〜
労うのは当然ってモンだぜ?
あ、もうちょい右だ、右
(ケケケ、と笑いながら疲れを取る)
颯刃:でも、アントネスを1回で倒せるまでにはなったよ?;
斎と勇音達の協力のお陰だけどさ?
(肩を叩きなから苦笑)
赤兎:そうだなぁ〜、偏にオレ様の調教が良かったんだな!
流石オレ様、凄いぜオレ様ww
颯刃:ふふふ…
(微笑するも何処か元気が無い)
赤兎:…教授の事なら割り切れ、どの道助からなかったんだ…
(一転し、真面目な声に変わる)
颯刃:…ん…
赤兎:自分で望んで来て、覚悟の上でやり遂げたんだ…良い奴じゃ無ぇか…な?
颯刃:…うん…(微苦笑)
赤兎:…で、お前は何気落ちしてんだよ?;
(溜息を吐き、チラリと様子を見る)
颯刃:………
赤兎:言わねぇといくら高性能なオレ様でも解んないぞ?
颯刃:…赤兎は…コレから先も教団との抗争は続くと思う?
赤兎:はぁ?…まぁ、裏切り3馬鹿トリオも出ちまった訳だし、激化するんじゃ無ぇのか?
(軽く思案して話す)
颯刃:…そうか…(しゅん)
赤兎:あんな良く解ん無ぇカルト集団、無いに越さねぇと思うけどなぁ?
颯刃:確かに…やってる事に、俺は賛同出来無いよ…でも…
(手を止め、軽く俯く)
…コンコン…
颯刃:あ、誰か来たみたい…
(ドアを開ける)
鳴狐:…颯刃…
颯刃:鳴狐か、どうしたの?(ニコリ)
鳴狐:………
(視線を少し落とす)
颯刃:………
(微笑を浮かべ、話を待つ)
鳴狐:…………
颯刃:……………(ニコニコ)
鳴狐:………………
赤兎:あ゙〜もう!まどろっこしいっ!!
取り敢えず中入れ中!;
(沈黙の様子に痺れを切らし、鳴狐を部屋に引き入れる)
鳴狐:……っ…!?;
(赤兎に引っ張られ、入室)
颯刃:赤兎、そんな風にしたら駄目だろ?;
(軽く赤兎を諌め、扉を閉める)
鳴狐:…………;(おずおず)
颯刃:ごめんね?適当に座っててよ
(苦笑しお茶請け等を取りに行く)
鳴狐:…………;
赤兎:べっつに、ベットに座ろうが襲ったり何ざしないぜぇ?
(コイツ甲斐性無しだもん、と適当な床に座り頭の後ろで手を組む)
颯刃:Σ赤兎っ!!///;
もう…本当にごめんね?
気にしなくて良いから!;
(慌てて叱責し、取り繕う)
鳴狐:……;(頷く)
颯刃:あ…それで、何か用でも有ったの?;
(鳴狐に椅子と飲み物を提供し、話題を変える)
赤兎:な〜、オレ様には何か無いのか〜?
(脇からニヤニヤと茶々を入れる)
颯刃:ほら、コレあげるから大人しくしててっ!;
(自分用に用意したお茶を赤兎に渡す)
赤兎:へ〜いwww(ニヤニヤ)
颯刃:…全く…;(軽く半眼)
鳴狐:…颯刃…(ぽつり)
颯刃:ん?(鳴狐の方を見る)
鳴狐:…私に…少し付き合って欲しいの…
(チラリ、と遠慮がちに颯刃を見る)
颯刃:……え…?
(数回瞬きをする)
鳴狐:…無理なら…良いわ…疲れているでしょう…?
(再び視線を落とす)
颯刃:あ!あ〜…うん、俺は構わないよ?
(合点がいったらしく、笑顔で応じる)
鳴狐:…でも…
颯刃:良いって、それで何に付き合えば良いの?
鳴狐:…さいたまに…行きたいの…
颯刃:さいたまって、確か…?
(思案する)
赤兎:アレだアレ、RD
(ホントボンクラだよな〜、と口を挟む)
颯刃:あぁ!(思い出した)
赤兎:で、あんな野蛮人の所で何したいんだよ?
鳴狐:…向き合ってみたいの…
赤兎:はぁっ?
鳴狐:…実際に向き合わ無ければ…いけないと、思うの…
颯刃:それって、RDに?;
鳴狐:………(頷く)
赤兎:無理無理、アイツ等にオレ様達レベルの知能は残って無ぇよ
攻撃してくるしか脳が無ぇんだからな…
(無駄無駄、と軽く手をヒラヒラさせる)
颯刃:…話せる人も居るけど…取り合ってくれる人を探すだけで大変だよ?;
鳴狐:…良いの…
赤兎:良いって、あのなぁ…?;
鳴狐:…私は…廃墟症と向き合いたいの…
赤兎:Σな…?!;
鳴狐:…彼等も…人なの…力になれるなら…良いの…
赤兎:っつてもよ〜、何で今になって…?;
颯刃:……火澄か…(ボソリ)
鳴狐:………(視線を落とす)
赤兎:あ?(話に乗り損なる)
鳴狐:…外見は繕っても…進行は進んでいるわ…
…斎の演算刻限も…短くなってるの…このままだと…火澄は…(グッ、と両手を握り合わせる)
颯刃:火澄じゃ無くなる…か…
(視線を僅かに落とし、話す)
赤兎:でもよ〜、最高レベル専門家すら頭抱えてる問題だぜ?
そんなチョイと見たからどうにかなるって話じゃね…
鳴狐:…解っているわ…!
赤兎:Σ…!?;
(珍しく語気が強まる鳴狐に驚く)
鳴狐:………解って、居るの…それでも…私は私なりに向き合ってみたいの……
(更に俯き、声が小さくなる)
颯刃:………
赤兎:………;
鳴狐:………
颯刃:…行こう、鳴狐
赤兎:ちょ…!?;
颯刃:さいたまも何度も行ってるし、危なくなったら俺が守るよ
(赤兎を見た後、微笑する)
鳴狐:………颯刃…
(ゆっくりと顔を上げる)
颯刃:だから、行こう!
(笑みを浮かべたまま鳴狐に手を差し伸ばす)
鳴狐:……あり、がとう……
(差し出された指先を軽く握る)
颯刃:……でも、今日は遅くなるから、明日からだね
月影にも一言言わないと心配させちゃうし…
(ふふっ、と笑う)
鳴狐:…私も…説明するわ…
颯刃:そうだね、ありがとう
(にっこり)
赤兎:お〜い、ソコの破廉恥青少年…何時まで手ぇ握ってんだよ?
(半眼でつっこむ)
颯刃:…!…べ、だから別にそういうつもりじゃ…!!?//;
(慌てて手を放し、わたわたと抗議する)
鳴狐:………?
赤兎:ホレ、オッサンの所行くんだろ?
ボサッとすんなよなぁ〜?
(ヤレヤレと首を振りながらもドアへ向かう)
颯刃:ちょ、赤兎!;
(慌てて追い掛ける)
鳴狐:………(静かに後を追う)
―――――ーーーーーーーーーーーーーー
〜学園体育館〜
颯刃:此処に月影が居るの?
(辺り見回し)
赤兎:オレ様の超ハイスペック高感度センサーに狂いは無ぇぜ!
(フフン、と自信を見せる)
颯刃:人が多くて解らないよ;
赤兎:…あ〜…、確かに自由戦闘…模擬戦してる奴いっぱい居るもんな〜;
…落ち零れ共がウヨウヨってな?
(小声で毒付き、ケケケ…と笑っている)
鳴狐:………
(2人から少し離れた位置で月影を探している)
学園男子:あれ?メディックの、しかも女子が来るなんて珍しいね?君も模擬戦に来たのかい??
(鳴狐に気付き、声を掛ける)
鳴狐:…………;
(突然声を掛けられ、戸惑う)
男子:緊張してるのかい?
だったら、僕と手合わせしようよ!
(にっこりと笑い、話を進める)
鳴狐:………私…は……;
(勢いに圧されている)
男子:平気平気、直ぐに慣れるからさ!
それじゃあ…行くよ…!!
(にこにこと笑った後、一気に距離を詰めに走る)
鳴狐:…!…;
(咄嗟に基礎医学術を展開させる)
月影:あれは…鳴狐様っ!?;
(別な場所から鳴狐に気付き、慌ててそちらに向かう)
男子:はぁぁぁぁ〜ッ!!
(攻撃姿勢で詰め寄る)
…ダンッ…!!!
鳴狐:………?…;
(そろり、と目を開ける)
颯刃:鳴狐!怪我は無い?;
(少し慌てた様に尋ねる)
鳴狐:………;(頷く)
月影:Σ流石は坊ちゃん!!
目には留まらぬ流麗且つ的確な手刀に御座いましたっ!!!
(私感無量で御座います!!と姿を表す)
赤兎:…目に留まら無ぇのに、何で流麗な手刀って解んだよ…?;
しっかし、こういうKYな奴には困ったモンだぜ…;
(半眼で月影に突っ込んだ後、気絶している男子をヤレヤレと見下している)
颯刃:ごめん、ちょっと目を離してたから…;(罰が悪そうに肩を落とす)
鳴狐:………(首を横に振る)
赤兎:ま、自業自得だな?
んな事より言う事有るんだろ?
(腕を組み、話を促す)
颯刃:あ、そうだった!;
月影:しかし、坊ちゃん…帰って居らしたならば私に一言おっしゃって頂ければ宜しいのに…;
(軽く凹み気味に話す)
颯刃:ごめんな?;
それと、明日からまた廃墟に行く事になったからさ…
(苦笑を浮かべ話す)
月影:Σんなっ!?;
(驚きをあらわににする)
颯刃:鳴狐に付き合う事にしたんだよ、幸い俺は空いて…
月影:ΣΣなりません〜っ!!;
(大声を上げる)
颯刃:…げ、月影…?;(流石に驚く)
月影:坊ちゃん…貴方は九龍家の次代をお継ぎになるお方…
それは幾ら馴染み深い鳴狐様とて流石に年頃で在らせられる若いお2人が揃いも揃って危険が蔓延る廃墟に一昼夜問わず在られるなんて…ッ…!!
なりません!!私の命に変えても貴方様に間違い等犯させる訳には参りませぬ!!!
もし、是が非でもと申されるので有りましたら、この私めの屍を踏み越えてからお行き下さいませっっ!!!
(一息でまくし立てた後、自前の刀[真剣]を抜き、颯刃に向け構える)
鳴狐:………;
赤兎:………;(半眼呆れ顔)
颯刃:………;(きょとん)
月影:さぁッ!!参られよ!!
私、法水月影…坊ちゃんの為ならば此の心身、惜しくは有りませんッ!!!
(クワッ!!と殺気走る勢いで颯刃を見つめる)
颯刃:あ〜…月影…?;
(流石にドン引きする周囲に耐え兼ね、なるべく穏やかに話し掛ける)
月影:何で御座いましょう?
その主水で切り捨てられぬ以上、私は断固許しませんよ!?
(キリッ、と目がマジで意気込む)
颯刃:取り敢えず、落ち着いて貰って良いか?;
(はい、深呼吸!と宥める)
月影:す〜…は〜…
(律儀に深呼吸をする)
颯刃:それでね、月影
俺達は知覚者としてとか、鳴狐の意志を尊重して行くって決めたんだよ…
だから、多分、月影の思ってる様な事じゃ無い、と思うんだ…?
(刺激しない様に説明をする)
月影:…何と!?
私めの勘違いで御座いましたか!!;
(驚き、非礼を詫びる)
赤兎:寧ろどんな勘違いをしたらあそこまで一人盛り上がれるんだよ;
(半眼)
颯刃:…と、言う訳だから、月影俺達はいk…
月影:Σしからば、是非ともこの私めをお連れ下さいませっ!!!
(何やら異様なやる気で進言をする)
颯刃:…えっ…?;(驚く)
月影:私も今日迄この学園にて知覚者の何たるかを学び、精進して来た所存!
是非この機会に坊ちゃんの傍らでもお役に立てる事を証明したく御座います故…!!
(何卒!!と土下座せんばかりの勢いでまくし立てる)
颯刃:だってさ…鳴狐、どうする?
(横目で鳴狐に尋ねる)
鳴狐:…颯刃に…任せるわ…;
(遠慮がちに颯刃を見る)
颯刃:あ〜…
じゃあ、宜しく頼むよ、月影;
(苦笑を浮かべながらも了承する)
月影:…坊ちゃん…鳴狐様…!
っ、私法水月影!必ずやお二方のお役に立てる様、尽力を尽くします事を誓い申し上げましょうッ…!!!
(感無量に御座います〜!と、感涙を浮かべつつ宣言をする)
颯刃:…何はともあれ、頑張ろうか?
(ん、と笑顔で気合いを入れる)
鳴狐:…えぇ…(頷く)
赤兎:あ〜ぁ、煩いの入っちまったが、しょうが無ぇなぁ〜;
(ヤレヤレ、と肩を竦める)
月影:うおぉぉ〜!
私、やり遂げてご覧にいれますぞぉぉ〜!!
(気合い充分で叫ぶ)