「軽く言った言葉の引き起こした現実、アンタに背負いきれるか?」
四弦弾いて嘲笑ってみせる。
雑踏波打つ夜の街中。
四角四面、箱詰め空間。
単調整列、着席制服。
目の無い先生指し示す黒板。
「答えられる人は?」
さぁ、右手高く挙げてごらんよ。
視線独り占め君に責任を問う。
理解しちゃった振りしちゃって。
単純明解、簡単に口を開いた。
白煙銃口、標準は左胸。
絶対絶命、孤立無援。
両手高く挙げて頭は深く下を向けちゃう?
命乞い、絶対服従、覚悟は出来た?
何より簡単で完璧な世界滅亡法。
誰にも内緒で教えようか?
どれより難関で無理な世界救済法。
君にだけそっと教えちゃおうか?
頭上数センチメートル。
天使の輪が見えてます?
足元数十メートル。
飛び込む前には深呼吸。
赤いネクタイ絞めて掛かろう。
煌めくネックレス、お似合いですよ?
「あ〜、ほら。また、飛びたい気分」
責任放棄の挙手乱立。
服従拒否の両手は万歳。
転嫁蔓延、全ては未来が背負います。
逃避推奨、どうせ来世が待ってます。
楽しい愉しい幸福飽食。
とっ散らかした残骸は腐敗。
「お前もイキたい?」
笑って嘲笑って、四弦は揺らぐ。
ホラホラ、煽動劣情。救済宣言。
アレもコレも掻き集めちゃって。
ソレもナニも足りない足りない喚いちゃって。
欲しいほしいホシイ、と口に出す。
出任せ咄と書いて放った弾丸掃射。
無責任無節操無制限。
弾倉空っぽになるまで吐き出しちまいな。
溜め込んじゃった汚物を曝して。
「どうせ全部は出せない癖に」
惜しくなって、躊躇して。
縋り付いて、未練まみれ。
「今更。助けて、なんて通用しないさ」
後の祭り、気付いた帳尻。
自分が撒いた弾丸の始末。
「さよなら、アンタ」
別れを告げた。