例えば、誰かが、空を見上げる。
それだけで変わる運命もある。
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その存在に導かれているのか?
又は、逆なのか?
あの一瞬の[交差]
此の世界に存在する、不可侵な存在。
魂などと言う存在が有るなら、その時初めて、俺は「存在」を刻み始めたのかも知れない。
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[運命]をたやすく人は語る。
存在するモノに与えられた道は、基本的に2種あると言える。
一つは、[運命]に抗わず、流れ逝く存在。
もう一つは、[運命]を変え、道を進む存在。
例えるなら、この学園に居る大半は前者だろう…。
…そして…
[俺達]は後者だった。
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運命を変える事は、難しくは無い。
投げ込まれた石が、波紋が水面を揺らす様なモノだ。
但し、それは極めて些細なコトガラに限る。
死の運命や、崩壊等を変えるのは、やはり相応のリスクを担う…。
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ある者が見れば、不様な生き様だろう。
愚かしくも滑稽に、虚空に手を伸ばしつづけるのだから…。
それでも人は諦めきれない。
[もしも]の先に在ったであろう、別な運命を…。
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あの時、引き金を引かなければ…。
あの時、憎悪に飲まれなければ…。
あの時、存在に接触していなければ…。
運命は、変わっていたのかも知れない。
見えぬ虚空に手を、
掴みたい運命の糸を…。
禁断の箱は開かれた。
禁忌を刻んでも、辿り着く。
此の躯と魂に、刻んだ音色。
…アイツと再び交差する為に…。
それは、運命か?
それは、シナリオか?
指し示られたミチの果て…。
底の無い海か?
天の無い空か?
奏でる総てが崩壊しても、俺はきっと、此の腕を差し伸ばしているだろう。
…貫けるような青空を見て、そう思った…。