例えば、例えばの話だよ…?
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颯刃:…廃墟って何故在るのかなぁ…?
斎:唐突な話だな?
颯刃:うん、でも不思議なんだよ(苦笑)
斎:人が住まなくなり、利用しなくなった空間の成れの果て、だろう?
颯刃:そうなんだけどさ…(苦笑)
そう言う事じゃ無くて、だよ
斎:…ほう?(ニヤリ)
颯刃:俺はたまに…本当にたまになんだけどさ?
「護ってる」のかも知れないって思うんだ…
斎:と、言うと?
颯刃:上手くは言えないけど…
昔の…それこそ「災厄」とか空白が生まれる前の世界は、化学技術が進んでいて、かなり高度な文明があったんだとしてさ?
もし、それを利用して他国や世界規模に争いが起こって…
教団が作ってた加速砲みたいなのとかがあちこちで使われて、毒性のナノマシンとかが散布されてるんだ…
そんな世界で、人や植物や水も汚染されて行って、もうこの地球自体が深刻な傷を負ってしまって…
限界スレスレの状態に何らかの変異、干渉が起こってガーディアン達が生まれて…
「彼等」は文明を記憶や記録ごと破壊した
そうやって過ちを繰り返さない様に…また、この世界が死なない様に、廃墟を通る地脈なんかを護っているなら
彼等は正しく守護者(ガーディアン)で、その行いは世界規模の守護なら、俺達人間って種は多少排除されていってしまう摂理になっていてもおかしくは無い…
そんな風に、廃墟で行動していると思うんだよ…
斎:自然淘汰も可能な、森羅万象である世界の自衛…か
ふむ、あながちハズレを出すのは早計な話だな?(ニヤニヤ)
颯刃:こんな事、勇音や月影には言えないからね(苦笑)
斎:ククッ、俺達だけの密事か…?
まぁ、実際にナノマシンは散布され、生物や機器は変容し人々を襲う
目的は不明だが、廃墟以外での目撃例が無い以上理由は有るかも知れんな?
颯刃:爪痕を残すより癒す方が遥かに大変だ…
この世界はどんな過去を負って、未来へ進むんだろうなぁ…?
斎:…総ては選択の上に在る…
颯刃:え…?
斎:クククッ…人は愚かで忘れてしまう
故に何度も過ちを犯す生き物だ…
強大な波にはせいぜい醜く抗い、模索し、動くしか出来ない猥小な存在しかし、選択と知略により「未来」を視る力を持つ希少種だ…
過去の断片や今の事象から仮説し選ぶしか道は無かろう
颯刃:あぁ…だから…
俺は出来る事をするんだ、自分で選択して、動く
犠牲になった存在や傷付いたモノの悼みを忘れないで居たいよ…
斎:あまり気負うな、好きにする方が存外上手くイクものだぞ?(ニヤッ)
颯刃:あはは…、そうだね
こうした天命や宿星に導かれて巡り逢い、生きてるんだ
大切にしたいよ(ニッコリ)
斎:ククッ…ならば今日は休め、明日が来る…
颯刃:そうさせて貰うよ(微笑)
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荒廃した砂漠に吹く一陣の風が、
明日は雨雲を喚ぶかも知れない
枯れた木々の根から
新緑が芽吹くかも知れない
囁かな希望が生きるのは
この世界がその幻夢を望んでいるから、かも知れないー…