ヒトリエの『ワンミーツーハー』
youtu.be
を聴いてみて浮かんだ映像
いつもの様に書きなぐりの世界
妄想だらけです
意味も落ちも無い
無論山場も無い
四角四面黒い部屋の中
壁という壁に何枚もの鏡が嵌め込まれている
暗い部屋に唯一の淡い光は1枚の鏡の裏側から射し込むだけ
鏡人はその部屋の中で生きている
慣れきった生活に最早疑問も何も無い
柄にも無い台詞が何となく頭に浮かんでは吐き出す事もなく沈んでいく
「……もっと、もっと俺を昂らせてくれ……」
淡い光を入れる鏡に写る自分に呟いた
白い光に溢れる部屋の外側
白い壁に嵌め込まれていた一枚の鏡
鏡が写すのはそれを見詰める漣じゃない
部屋の中に立つ鏡人
マジックミラー越しに見る鏡人が口にした
『昂らせてくれ』
言葉を聴いた漣は右手を握り締めると鏡を叩く
「お前の心を貸せよ、そんな所から出てやるから!!」
そんな言葉も音も部屋の中には届かない
そのうち視線を外して鏡人は背を向ける
「その瞳を貸せよ、お前を視てやるから!!」
叩いて、蹴って、叫ぶ 届かない
鏡人が無意識に閉じ込める
漣は意識的に引き摺り出そうと足掻く
そのうち取り出した端末が通話に変わる
「その声を貸せよ、お前の言葉歌ってやるから!!」
端末越しに会話をして
鏡越しに向き合った
「……そんな事、意味無い……」
漣はプログラムを起動させる
自分の声を、鏡人の声に変えて話した
「余計なお世話、にすら出来ない癖に」
「……」
「お前の何かを貸したって、お前であることは変わら無ぇじゃん」
「……」
「お前だって、ひとりきりになんてなれないって知ってる癖によ!?」
「……そんな事……意味無い……」
「……そうやって捻って誤魔化して死ぬのかよ?」
「……そうやって笑い飛ばそうとする虚勢で生きるのか……?」
プログラムを止める
「なぁ、そこから出て来いよ
視てみれば良いじゃ無ぇか」
鏡を内側から押し開く
眩しい光に目が慣れる
「……ほら、笑ったじゃねぇか」
見上げる君が流した涙
見たかったのは笑う顔で
そんなお前のいる場所でニヤリ、笑いたかったからで
「…………」
「…………」
互いに口にしたのは、何時かの失敗作
紡いだ音が響いた