緑色の目が、今日も世界を見つめている。
四角四面の箱の中から
暗い空を見上げて笑う
今日も世界は美しい、と……
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全体図を抽象的に見ている
真昼の星空を繋ぐ様に
地の底の流れを感じる様に
彼は笑う
今日も世界は愛しい、と……
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その装置は何故存在するのだろう?
答えはきっと単純だ
歯車を動かすには動力が必要だからだ
噛み合った歯車達、幕が上がる
笑いながら役割を演じよう
今日も世界は素晴らしい、と……
颯刃だと思ったら違います、 朔夜でした←
高純度の魔力はエーテルの元素に似て非なるモノ
全ての元は廻り巡る龍脈と呼ばれる力
つまり、エーテルから魔力を得た人工知覚者は龍脈の能力に似せた紛い物
何故そんな紛い物が必要なのか?
それは人智を越えたモノだから
人の意のままに操るには剰るモノ
無理に振り翳せば己が身を滅ぼす諸刃の剣
かつて人は神に並ばんと手を伸ばした
故に幾度も討ち滅ぼされた
神は慈悲深き故に人を生かした
しかし、赦す事無く聖地を閉ざした
紛い物の歯車は役者の人形を動かす
再び幕が上がり、繰り返す演目が始まる
偽物の器で偽者を演じよう
かつて舞台に立った役者を演じよう
兄を、弟達を、妹達を、妻達を、
演目を支える装置を廻そう
舞台を、台本を、支柱達を、
そして2人の異邦人を招き入れよう
心亡き器と器無き心
全てを仕組んだ男は、一体何を見つめているのか?