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春遠く、風は吹く

何が正しいとか、そう言うんじゃ無くて…ー

―――――ーーーーーーーーーーーーーー

[学園屋上]


颯刃:………

赤兎:………

颯刃:…誰も、居ないなぁ…

赤兎:……オレ様は…

颯刃:ん?

赤兎:…お前がそんな淡泊な奴だとは思わなかったぜ…

颯刃:淡泊、ね…(苦笑)

赤兎:オレ様は機械だ、だがよ、お前は違うだろ?…なのに…

颯刃:ハハッ、そうだね
…本当ならこんなに冷静なもんじゃ無いよね…(微苦笑)

赤兎:………


勇音:あ、こんな所に居たか;

颯刃:…勇音

勇音:いや、今回の任務…大変そうだったから、な…
(隣に座る)

颯刃:うん、何か色々有り過ぎちゃってさ(苦笑)

勇音:…無理、すんなよ?

颯刃:解ってるよ(微笑)

勇音:…そうか…、月影さんも心配してたぞ?

颯刃:ん、後で会いに行くよ

…今回は本当に疲れちゃったなぁ〜…;
(苦笑しながら後ろに寝転ぶ)

勇音:少しぐらい、休んどけ
(緑茶缶を颯刃の横に置き、自分の缶を口にする)

颯刃:ん…ありがとう…
(顔に腕を当てる)

勇音:…此処は、風が冷たいなぁ…
(前を向き、呟く)


―――――ーーーーーーーーーーーーーー

[学園寮・鏡人の自室]


鏡人:………ふぅ…
(装備を片付ける)


(…自分の責任…か…)

俺は…、どう償い、どう生きるべきなんだろうな…?

(償った先が、死だとしても?

いや、俺は…)

償えない罪を、選ぶ…
(首元に軽く触れ、呟く)



―――――ーーーーーーーーーーーーーー

[学園生徒寮・斎の自室]




漣:ふぅん…んな事になったのか…
(椅子に逆向きで座り、話を聞いている)

斎:あぁ、教授の死も、兵器の破壊もドチラも痛手になるだろう

漣:…くっだらねぇ…

たかが兵器1つ無効化したぐらいで償ったとか…馬鹿じゃねぇの?

斎:個人としての功績なら、それなりの評価はされるだろうさ

漣:教団も、学園も、機構もコンソーシアムも…俺は赦さねぇし、信用なんざしねぇ

例え奴等が今を守ってても関係無ぇ、ぶっ壊す…

斎:ククッ…神の庇護たる楽園を己から捨てる、か…

漣:良いように使われっぱなしなのも、奴等の態度も気に入らねぇだけだ

斎:今回は収穫は多かったが、中でも教授の存在は大きかったな

漣:何だよ、功労賞とか言うんじゃ無ぇだろうな?;(半眼)

斎:教授には感謝しているさ

フォースフィールドの弱化法等を教えてくれた

何より、一般人間の廃墟症進行を死に至る範囲まで「観察」出来た

コレは実に興味深い(ニヤニヤ)

漣:……時々、お前の人格ってか、神経破綻してると思うぜ…?;
(半眼睨み)

斎:破綻も何も、人格や思考、それに準ずる行動等、た易く操作される代物だ

倫理論に付き合わせたいならまた日を改めて受けてヤるぞ?(ニヤリ)

漣:…俺、お前みたいにだけはなりたく無ぇぜ…;
(溜息)

斎:ククッ…安心しろ、俺は俺以外には成り得ぬ様、お前はお前でしか居られないんだからな…



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暖かな陽射しはまだ来ない

冷たい風は今日も吹く


…何時か来る春を望み、今はそっと、休もうー…
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深淵に舞う機械天使

それは救い

それは破壊ー…

―――――ーーーーーーーーーーーーーー

[巨大陽電子砲]



赤兎:ケッ、手堀の上にこんなもんまで作るとか、教団もご苦労なもんだぜ

颯刃:コレが…大量破壊兵器…

斎:余り興味を惹かれんな…寧ろ…

鏡人:…誰だ…?

赤兎:司教サマのお出ましかよ…って!?

斎:おや、起動したか

鏡人:…!……止まっ、た…?

赤兎:あ、あの時の機械弄りか!流石機構の技術者だぜ

ざまぁ見ろ!コレでコイツは使えね…

颯刃:Σ教授!!?;

赤兎:お、オイ!しっかりしろよ!!?

颯刃:教授、大丈夫ですかっ!?;

斎:待て、…先客が先だ…(ニヤリ)

颯刃:な、ん…

鏡人:…意地でも撃つつもりか…

赤兎:くそっ、やるっきゃ無ぇぞ!?

颯刃:解ってる…赤兎、教授を頼む…;


鏡人:…天使か、悪魔か…どちらにせよその翼は破壊する…
(銃構え)

斎:神に仕える倒錯者、お前は最早人でも神魔でも無い只のガラクタだ…
(ニヤリ、とチョーク構え)

颯刃:沢山の人を苦しめて、自分達の為にまだ犠牲を増やそうなんて許せない…絶対に止めてやる!!
(刀構え)


―――――ーーーーーーーーーーーーーー


颯刃:…ハァ…ハァ…やっ、た…?

鏡人:…ここまで破壊されれば修復は困難だろう…

颯刃:Σ教授…!!(駆け寄る)

―――――ーーーーーーーーーーーーーー

赤兎:しっかりしろ!クソッ、オレ様の治癒能力範囲じゃどうしようも…;

颯刃:教授!すぐに学園に…

教授:…僕は…もう、無理だ…

颯刃:そんな事…!!

教授:僕の体は…もう…

赤兎:そん、な…

教授:…任務は果たせた…悔いは無い…

鏡人:………

教授:…みんな…あり…が…と……

赤兎:…嘘…だろ…?教授…

鏡人:………(目を伏せる)

赤兎:まだ、何も聞いちゃいねぇよ…なぁ…目ぇ覚ませよっ…!!

颯刃:…赤兎…

赤兎:オレ様は認めねぇぞっ!!
こんな…こんなの…っ!

颯刃:赤兎、帰ろう…学園、へ…


―――――ーーーーーーーーーーーーーー

斎:ヤレヤレ、奴等慌ただしく遺体を持ち去りやがったな

鏡人:…無理も無い…

(ピリリリ…ピリリリ…)

颯刃:………もしもし…?

K:私だ

颯刃:……お久しぶりです…

赤兎:オイ、おっさん…、安全な場所でアレコレ言いやがって…教授は自分で来て、自分の身体を張ってくれたんだぜ…そんな電話1つで心情なんざ解る訳無ぇだろ…

K:彼は自らの行為の責任を、自らの行為で償った…それだけだ

赤兎:テメェ…よくもぬけぬけと…

颯刃:はい、存じて居ます

はい…はい…解りました…
(プッ)

赤兎:Σなっ!お前なんで邪魔を…!?

颯刃:…憎しみや怒りからは、良くない事が生まれるから…

それに、きっと教授も望んでないよ

赤兎:…ケッ…

斎:さ、話が済んだなら報告に行くぞ?

颯刃:…あぁ、行こう…









To be continued...
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