2014-8-22 23:57
※バトンネタ、黒バス赤司×BLEACHグリムジョーのクロスオーバーCPです
キャラ崩壊注意、主にグリムジョー
「お疲れ様でございます、赤司様」
ビルの最上階、一番奥の部屋から出た赤司は、声を掛けられた。
見れば本日会議を行った取引先の社長だった。
「赤司様、今日はもうお帰りですか?」
「ええ、仕事も一段落したので」
「それでは、よろしければこれからディナーでもご一緒しませんか?美味いワインを置いている店がありましてね」
初老の男は人の良さそうな笑みを浮かべ、赤司に問い掛ける。
「いかがです?」
「…申し訳ありません。ご一緒したいのは山々なのですが」
「おや、先約がございましたか。これは失礼を」
「いえ、先約ではないのですが…、実は先日、猫を飼い始めまして」
「…猫、ですか」
「ええ。アレがちゃんと元気かどうか、確かめたいのです」
申し訳ない、と表情を陰らせ男を見遣る。
男もそれに理解を示し、では食事はまた今度、というやり取りの後別れた。
一階のエントランスで待たせていた車に乗り、自宅へと向かう。
愛猫が彼の帰りを待つ家だ。
車を少し走らせ高層ビルが建ち並ぶ場所。
そこに一際大きなマンションが佇み、街中を見下ろしている。
そのマンションの最上階が赤司の家だった。
「ただいま」
鍵を開け、玄関に入る。
すると、その音を聞き直ぐさま居間からやって来る足音がひとつ。
「アカシ…!やっと帰って来たのかよっ」
「遅くなってすまない。グリムジョー」
ソレは如何にもずっと帰りを待ち望んでいた様子で赤司を出迎えた。
彼が赤司が可愛がっているという『猫』だった。
グリムジョーは赤司に駆け寄ると身体を擦り付けるように寄り添う。
「…ふ、いい子にしていたかい?」
「ん。アカシのメーワクになるようなコトはしてねぇ」
グリムジョーの言葉に赤司はそうか、と微笑み頭を撫でてやる。
くすぐったそうに身をよじるも、グリムジョーは嬉しそうに笑う。
「それよりアカシ、俺はらへった」
「あぁ、直ぐに夕食の準備に取り掛かるよ」
赤司のその言葉に、グリムジョーはますます顔を綻ばせるのだった。
夕食と風呂を終え、リビングでゆったりと読書をする。
横にはピッタリと寄り添って離れないグリムジョーが丸まっている。
眠いのか、その目はうつらうつらと微睡んでいる。
「グリムジョー?眠いのかい?」
「ン…ぅ……だいじょうぶ、だ…、……それより、アカシ、」
「なんだい?」
眠そうなグリムジョーの頭を撫で、言葉の先を促す。
舌足らずなグリムジョーの言葉は、何処か心をくすぐらせた。
「今日…イイコにしてたごほーび…まだもらってねぇ…」
とろけた瞳は僅かに熱を帯びていた。
赤司は、あぁ、と思い立ちグリムジョーに向かって両手を広げる。
「そうだったね。…おいで、グリムジョー」
「…ん、アカシ、」
眠い身体を起こし、待ち望んでいた抱擁を求めて赤司の腕に倒れ込む。
難なく受け止め、赤司は腕の中の大きな猫を愛おしげに抱き留めた。
「…っ……カシ…、アカシ…っ」
「グリムジョー……」
自らの名前を呼ぶ彼に一層の愛しさを感じ、そっと目尻に口づける。
小さくふるりと震える瞼。
「ん……」
「いい子だね、グリムジョー……愛している」
「ア、カシ…ぃ、…おれも……」
呟く名前は甘く切ない。
その唇に触れるだけの口づけを落とし、互いに抱きしめる。
相手から伝わる体温が心地好かった。
「グリムジョー。お前はずっと僕のモノだよ」
「ん……おれは…アカシの、だ…」
いい子だね。
再び赤司はそう呟き、腕の中の猫を抱きしめた。
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バトンネタ第六回、赤司×グリムジョー。
なんかものすごい従順なグリムジョーになった。
本当は抵抗するグリムジョーを赤司様が無理矢理屈服させる、みたいなネタを考えていたのだが、あまりにも赤司様が酷くなりそうだったのでいっそのことグリムジョーを素直にさせてみた。
うん、誰コレ状態だ(爆)
ここまでお読みいただきありがとうございました!
(2014.8.27 編集)