hanahami*

2024.4.11 Thu 22:53 :番外編:四季学警備委員の日常
一年三席 光浦数磨の興味

「わたしは委員長の御蘭生敬だよ。よろしくね」
まさか入学式で初めて目にした方が委員長とは、さすがに予想しておりませんでした。ここ数日、空いた時間に「ミソノケイ」なる選手の対戦データがないか探してみたものの、該当は無し。四季乃学園は国内最高峰のマナファイター養成校であるが故に、大会で好成績を残した方ばかりかと思い込んでおりましたが、ワタシとしたことが、三年前の海鳴月十五日、春光新聞に掲載された記事のことを失念しておりました。確か、対マナバイオ法の施行により戦闘校受験を余儀なくされた方々の中から、四季乃学園の合格者が出た、という内容だったはずです。時期も一致しますし、おそらく彼女のことなのでしょう。
しかし、纏うマナの量だけを見ても、世界王者の鷹峰先輩を超える実力者とは考えづらいですね。鷹峰先輩が委員長になることを拒否されたのでしょうか。
「はァ!? アンタ何言ってるの!? 委員長は三年生の首席がやるって話だよね!? 鷹峰様がいるだろ!?」
到底先輩へ向ける態度とは思えませんが、内容については概ね同意しているので回答を待ちます。メモの用意は万全です、記録しておきましょう。
「わあ、よく知ってるね。悠くんなら副委員長だよ。最初の委員会だし、順番に自己紹介してもらうからね」
天崎さんは相当な圧を放っていますがこの先輩、動じませんね。笑顔です。
「そんなバカな」
「煩いよ疾風。首席は敬だから、伝統通りだ。あと敬、殆ど顔見知りだから、紹介は君と、一応はるな、一年だけでいい」
さらに言い募ろうとした天崎さんは、崇拝する鷹峰先輩の制止の声に一瞬怯んだものの、ミソノ先輩に人差し指を突き付け、凡そ新入生らしからぬ発言をしました。
「ボクはアンタなんて認めない! 勝負だ!」
さて、ミソノ先輩は果たして、この勝負を受けるのでしょうか。もし受けるようであれば、三年首席の実力、拝見したいものです。当然、記録も残さなくてはなりませんね。
……非常に、興味があります。

続きを読む

 0 



b o o k m a r k


p r e v n e x t
g o  t o  t o p

-エムブロ-