hanahami*

2024.4.12 Fri 22:25 :設定
一年次席 鷹峰明の決意

「ボクはアンタなんて認めない! 勝負だ!」
ずっと背中を追ってきた、私の知る限り負け知らずの兄様。そんな兄様が首席ではなかったことの衝撃は大きいけれど、天崎君の言葉を聞いて我に返る。いくらミソノ先輩の実力が疑わしいとはいえ、流石にその態度はいただけないわ。注意しておかないと。
「えっと、勝負するのは別にいいんだけど、委員会の後でもいいかな? 試合場所の申請もしないといけないし」
驚いた様子ではあったけれど、特に怒るでもなく答えたミソノ先輩。お世辞にも強そうには見えないけれど、先輩方が誰一人異を唱えていないのだもの、腕は確かなはず。何より、兄様のミソノ先輩を見る目が、他の人に向けるものとは明らかに違う。
「絶対だからな、逃げるなよ!」
そう言って音を立てて座る天崎君は、冷静さを失っているからか気付いてなさそう。先輩十人のうち七人は、予想通りっていうリアクションね。
それにしても、いきなり喧嘩を売られたのにあの対応。なんだか駄々を捏ねる弟を宥める姉みたいね。弟か妹でもいるのかしら。
「うん。じゃあ後で一緒に申請しに行こうか。これからも自主練習で利用する機会があるだろうし。他の子も、手続きのやり方が気になるなら、ついてきてもいいからね」
「はい」

その後はスムーズに進んだ委員会だけど、いつも剣持先輩の試合を観に来ていた「応援席のはるちゃん」もいたのには驚いたわ。まあ、兄様が次席だったことほどではないけれど。……それにしても、兄妹揃って次席なのは悔しいわね。もともと首席の座は狙っているけど、ますますその気持ちが強くなったわ。
実際にマナバイオの討伐を行うこともあるみたいだし、学ぶ環境としては十分。今にみていなさい、次は私が獲るわよ。


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