大佐殿とペルのお話です。
こうして野良猫と戯れる二人も可愛いかなと…
ペルは猫っぽいと思うのです(笑)
*attention*
大佐殿とペルのお話です
本家Laurentia!(学パロ)設定でのお話です
ほのぼのなお話です
猫ネタなお話です
ペルは猫と友達?
こうして一緒に遊びに行く二人いいかなぁと思いまして(^q^)
ペルは猫っぽいと思うのです
それを微笑ましく見守る大佐殿を書きたくて…←
相変わらずの妄想クオリティ
ナハトさん、本当にすみませんでした…!
以上がOKという方は追記からどうぞ!
「クラウス兄さん、時間、ある?」
そんな風にペルが声をかけてきたのは、ある日の放課後の事。
いつものように、図書館で顔を合わせた時、彼は何だか興奮した様子で声をかけてきた。
そんな彼の言葉にシュタウフェンベルクはきょとんとした。
そして、小さく頷く。
「あぁ、今日は特に用事もないから構わないが……」
どうした?とシュタウフェンベルクは首を傾げる。
ペルはそんな彼の返答を聞いて、彼の袖をくいくいっと引っ張った。
「行こう……
見せたいものが、ある」
いつもより少し興奮した様子のペルはそういった。
シュタウフェンベルクの手を引っ張る彼。
そんな彼に少し驚きつつ、シュタウフェンベルクは彼と一緒に歩き出した。
彼は外に出て行く。
その小さな手に導かれ、シュタウフェンベルクは歩き出す。
しかしペルは一向に行先を注げようとはしない。
「ペル、何処に行くんだ?」
彼の手に引きずられながら、シュタウフェンベルクは訊ねた。
別に何処に行くのも構わないし、彼の事だからそうそう変な所にもいかないとは思うが、
やはり何処に行くのかは気になってしまうし……
そう思って、彼は訊ねる。
ペルは一度彼の方を振り向いた。
そして、少しはにかんだような表情を浮かべつつ、いう。
「……内緒」
そういうと同時、ペルはシュタウフェンベルクを引っ張って歩いていく。
一向に何処に連れていくかを告げる様子もなかった。
そうして辿り着いたのは、公演の一角。
その裏に入っていくペルとシュタウフェンベルク。
奥に進んでいくと、ペルは漸く足を止めた。
「っは、ぁ……はぁ、ペル……?」
やや強引に引きずられてきたシュタウフェンベルクは少し息を荒くしつつ、ペルに声をかける。
ペルはシュタウフェンベルクの手を離すと、茂みの中を覗きこんだ。
「にゃーん……」
急に猫の鳴き真似を始めるペル。
シュタウフェンベルクはそれに怪訝そうな顔をしたが……
すぐに、その理由を理解した。
「わ……」
シュタウフェンベルクは少し驚いた声を上げる。
それは、ペルのすぐ近くからひょこひょこと顔をだす小さな影。
それは、公演に住みついているらしい野良猫。
しかも一匹ではなく、複数匹。
「これか、見せたかったのって……」
シュタウフェンベルクが問いかけると、ペルはこくんと頷いた。
そして、そこに座って、野良猫たちに手を伸ばす。
「此処、野良猫いっぱいいるとこ……」
前に見つけた。
ペルはそういいながら、猫たちに鳴き真似をした。
すると少し警戒した様子を見せていた野良猫たちがペルに近づく。
「いい子……」
そういいつつ目を細め、ペルは野良猫たちを撫でた。
彼にだいぶ懐いているようで、野良猫たちは甘えた声をあげながらペルに擦り寄っている。
そんな姿を見て、シュタウフェンベルクは目を細めた。
「可愛いな」
そう呟く。
シュタウフェンベルクの目に映るペルは嬉しそうな顔をしている。
そんな姿はとても可愛らしい。
……無論、ペルも可愛らしいと思うが。
「クラウス兄さんも、手だして……」
大丈夫だから、とペルはいう。
シュタウフェンベルクはそれを聞いて目を細める。
そしておずおずと手を伸ばす。
一瞬野良猫は少し警戒したが、ペルが"大丈夫だよ"と声をかけると、
猫たちも少しずつシュタウフェンベルクに近づいた。
くんくん、と鼻を鳴らして匂いを嗅ぐと、野良猫たちはシュタウフェンベルクに近づいてきた。
にゃぁ、と小さく声を上げる野良猫。
すりっと制服に擦り寄るその小さな影は、愛らしい。
シュタウフェンベルクは目を細めた。
「可愛いな……」
そういいながらシュタウフェンベルクはそっと野良猫を撫でる。
そしてふと思いついたように携帯に手を伸ばした。
以前から、野良猫の写真を撮ろうと躍起になっていた。
しかし足が速く警戒心も強い野良猫たち。
そうそう簡単に写真を撮ることが出来るはずもなく……
しかし、今なら?
シュタウフェンベルクはそう思いながら、そっと携帯を野良猫に向けた。
一瞬警戒したように身を引きかけた猫たちだったが、
シュタウフェンベルクに敵意はないとわかったのか、おとなしくしている。
かしゃっとシャッター音。
画面に表示されるのは、自分を見上げる野良猫の写真。
ペルも横からその画面を覗き込んで、目を細めた。
「可愛い……」
シュタウフェンベルク写真撮るの上手、とペルはいう。
それを聞いて、シュタウフェンベルクも微笑んだ。
「これを壁紙にしようか……」
シュタウフェンベルクはそういいながら、携帯を弄る。
前々からそうしようと思っていたのだった。
ペルはそれを見てぱっと顔を輝かせる。
「可愛い……」
シュタウフェンベルクの携帯を覗き込み、ペルはいう。
それを聞いて、シュタウフェンベルクは目を細めた。
元から、ペルのこういう反応を見たかったのだ。
きっと彼は喜ぶだろうなぁ、と思って。
「綺麗に撮れたのはペルのおかげだからな……」
そういいながら、シュタウフェンベルクはそっと野良猫たちを撫でる。
彼の手にじゃれつく野良猫たち。
「ペルの友達なんだな、この猫たち」
シュタウフェンベルクはそういう。
ペルは嬉しそうに笑いながら、頷いた。
「前に、この子たちに、あった……
最初は、逃げられたけど……
だんだん慣れて、一緒に遊べるようになってきた……」
それが嬉しかった。
ペルはそういいながら、野良猫の一匹を抱き上げる。
「この子、クラウス兄さんに貰ったぬいぐるみに、似てる」
そういいながら彼が差し出したのは一匹の野良猫。
真っ黒い毛並みの猫はシュタウフェンベルクをじっと見つめている。
他の猫たちよりおとなしい様子の黒猫。
それは……
「何だか、ペルみたいだな」
シュタウフェンベルクはそう呟いてふっと笑う。
おとなしいところ。
そしてじっとシュタウフェンベルクを見つめる瞳が、ペルに似て見えた。
そんなシュタウフェンベルクの言葉にペルは少し驚いた顔をする。
それから自分が抱いている猫を見た。
「……似てる?」
ペルはそう呟いて、首を傾げる。
そんな彼に合わせたように野良猫も首を傾げる。
何だかそれが面白くて、シュタウフェンベルクはふっと笑った。
「やっぱり良く似てる」
そういって笑う彼。
シュタウフェンベルクの反応を見てぱちぱちと瞬いたのち、
ペルは黒猫を地面に下して、軽く毛を払った。
「……ちょっと、嬉しい」
そういってペルは少しはにかんだ表情を浮かべた。
シュタウフェンベルクもふわりと微笑む。
それから、空を見上げた。
「そろそろ帰ろうか。
暗くなってしまうから……」
「うん、そうだね」
―― また、一緒に来よう?
そういうペル。
シュタウフェンベルクはそれに小さく頷いたのだった。
―― Kitty ――
(可愛い、可愛い子猫。
似てる、なんて彼は言うけど本当?)
(真っ黒な毛並みも手伝ったのかも知れないけれど…
それでも、何処か人懐っこさを感じさせる野良猫は彼に良く似て見えた)