2015-7-18 18:25
死刑宣告をされた。
死刑になるような理由に思い当たる節は特に無く、ただ呆然としていると着ていたツナギから、元々着ていた私服へと着替えさせられ私物の携帯を返された。
携帯は最後に家族や友人に別れを云っておきなさいとの配慮だという。
今まで居た個室から制服姿の男に連れられて別室へ移動すると『翌朝迎えに来る』と、部屋の中に入れられ外から鍵を掛けられた。
仕方無く家族や友人に宛て、別れのメッセージを考えてはみたがどうにも納得がいかない。
一体私が何をしたと云うのだろう。
そもそも私が此処へ来たのは偶然肩をぶつけてしまった女性が転んでしまい結果、掠り傷を負わせてしまった事が理由だった。
しかし、罪がつくとするならこれは傷害罪になるのだろうが、果たしてこれだけで死刑になるのだろうか。
だが、他に理由が浮かばずモヤモヤとするしかなかった。
友人達に宛て送ったメールが次々返ってきた。
全て『有り得ない』『抗議してやる』というような、此方の味方をするもので少し気持ちが休まった。
家族へ宛てたメールはまだ送れずにいた。
やがて夜になり部屋の電気が消されると、毛布にくるまり明日で終わる人生を反芻していく。
嫌な事もあったが良い事もあった。
決して人数が多いとは云えないが信頼出来る友達も出来たし、楽しい事も沢山出来た。
幸せな人生だったかも知れない。
死への恐怖か、生への執着か涙が止まらなかった。
朝になり、室内が格子の嵌め込まれた窓から射す朝日で明るくなると制服姿の男に連れられて処刑室へ移動する。
何かの実験室のような室内には既に先客が二人居り、生気の抜けた表情で椅子に座っていた。
更にもう一人、白衣を着た初老の男が棒状の物を持ち部屋の真ん中に立っている。
彼は執行人だと私に云った。
まず彼は先客の青年を自分の所に呼び寄せると自分に背を向けるように立たせ、無防備になった青年の後頭部へ持っていた棒をしなるような勢いで叩き付けた。
バキリという音と呻き声と共に青年の身体は床へ崩れ落ちると、二、三度身体を震わせ動かなくなった。
次は先客二人目の少女を呼び寄せる。
恐怖で震える彼女に優しく声を掛けると、先程と同じように後頭部を打ち据えた。
しかし、当たり所が良くなかったのか少女は激しく身体を痙攣させ、訳の分からない言葉を垂れ流しながら室内をさ迷い、バタリと倒れると電池の切れた玩具のように動かなくなった。
ちょっと失敗したなー、と白衣の男は頭を掻くと最後は君だと私を呼ぶ。
先客二人と同じく男に背を向けて立つ。
あと数分も無い人生を思うと涙がこぼれた。
…ああ、そう云えば家族に別れのメッセージを送ってなかったっけ。
心残りを作るなんて自分は本当に馬鹿だな。
そんな事を考えていると空気を裂くような音が聞こえ、頭に衝撃を感じると身体が浮くような感覚を覚えたと同時に目の前が真っ暗になった。
2015-7-14 08:48
相方が、ほんとにあった呪いのビデオのDVDBOOKを買ってきた。
過去の作品から12のエピソードを収録したものらしく、収録エピソードを見ると割りと古いものも混ざっていて、呪いのビデオのファンにとっては懐かしいラインナップになっている。
最近は自分が子供の頃に比べて、心霊番組が圧倒的に減ってしまったので、こういうのを見て溜飲を下げるのも悪くはないかも知れない。
2015-7-11 13:45
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