シュタウフェンベルク兄弟でのお話です。
ペルはとにかく猫が好き、ということで…
オムライスとかに絵を描いてもらって喜ぶ子って可愛いですよね←
*attention*
シュタウフェンベルク兄弟でのお話です
本家Laurentia!(学パロ)設定でのお話です
ほのぼのなお話です
お絵かきネタ?なお話です
お兄さんたちに絵を描いてもらうペルにゃ
それにはしゃいでたら可愛いなと←
そして先生に自慢するペルだと思います(^q^)
相変わらずの妄想クオリティ
ナハトさん、本当にすみませんでした!
以上がOKという方は追記からどうぞ!
静かな、高層マンションの一室。
少年はひとり、自分の部屋で自分の課題をこなしていた。
長く艶やかな黒髪の少年……ペル。
小さな手でちまり、とペンを握り、英語のノートにアルファベットを書き連ねていく。
と、その時。
トントン、とドアをノックする音が聞こえた。
それを聞いて、ペルはぱっと顔をあげる。
ガチャ、とドアが開く。
顔を出したのは、彼の兄であるベルトルト。
彼はペルに笑いかけながら、言った。
「晩ご飯だよー」
「はぁい」
ペルは彼の言葉に頷くと、一度ペンを置いて立ち上がった。
そのまま彼と一緒にリビングルームに行く。
既にほかの兄二人……クラウスとアレクサンダーは席についていた。
ベルトルトが用意してくれたであろう夕飯が各々の席に置いてある。
「今日はオムライスかー」
そういって笑うアレクサンダー。
おいしそうだなー、という彼を見ながら、ペルは目を細めて、言う。
「オムライス、好き……」
ペルはオムライスが好きだった。
オムライスに限らず、洋食は割と何でも好きなのだが……
ベルトルトが作ってくれるオムライスは殊更好きなのだった。
ペルも席に着く。
そしてテーブルに置かれた自分の皿を見てぱっと顔を輝かせた。
「ねこさん……!」
そう。
ペルのオムライスにはケチャップで可愛らしい猫が描いてある。
ペルはそれを見て顔を輝かせている。
「ふふ、可愛くかけたよー」
ベルトルトは明るく笑いながらそういう。
どうやら、彼が描いたらしい。
ペルはきらきらと目を輝かせている。
アレクサンダーはそんな弟の様子を見てくすり、と笑った。
ぽん、と頭に手を置きつつ言う。
「よかったなぁ、ペル」
「ん!可愛い……」
嬉しそうに顔を輝かせているペル。
花が周りに飛んでいるのが見えるようだ。
彼の様子を見て微笑むと、ベルトルトは彼らに言った。
「じゃあ食べようか」
「いただきまーす!」
そんな声を上げてもくもくと食べ始めるアレクサンダーとクラウス。
スプーンを進めつつ、ふとクラウスは視線をペルの方へ向けた。
「……ペル?」
どうした?と彼は訊ねる。
先ほどから、ペルはオムライスを見たまま固まっているのだ。
一体どうしたのかと問いかける兄の言葉に、ペルは言った。
「ん……ねこさん、かわいそう」
そういうペル。
彼の言葉にベルトルトとアレクサンダーも手を止めた。
そして、おかしそうに笑う。
「あはは、可愛くて食べられないかー」
可愛いなペルは、といいながらアレクサンダーはペルの頭を撫でる。
此処まで言われると嬉しいなぁ、とベルトルトも笑っている。
クラウスはそんな兄と弟を見て小さく笑って、言った。
「またかいてもらえばいい。
な?ベルトルト兄さん」
描いてやれるだろう?というクラウス。
その言葉ベルトルトは小さく頷いた。
「うん、いつでもかいてあげるよ」
「ほんと?」
ぱぁあっと顔を輝かせるペル。
ベルトルトは彼に微笑んで頷いて見せた。
「うん、かいてあげるよ?」
「やった……」
嬉しそうな顔をするペル。
アレクサンダーは彼らのやり取りを見て小さく笑うと、ペルにいった。
「ほら、食べないと冷めるぞ?」
「ん……」
ペルはアレクサンダーの言葉に頷くと、少し躊躇いつつオムライスにスプーンを入れる。
漸く食べ始めた末っ子を見て小さく笑うと、他の兄たちも食事をとり始めたのだった。
***
そうして夕食を終えた後……
片付けをして食後のコーヒーを飲んでいたクラウスたち。
そこにペルはてくてくっと歩いてきた。
そして机の上にばらっと何かを置く。
「じゃあ、かいて……」
ペルが差し出したのはいつも学校で使っているノートや、体操服を入れる袋。
かいて、というのは先程の約束のことだろう。
そう思いつつ、ベルトルトはくすくすと笑った。
「よーし、張り切るぞー!」
そういって彼は油性ペンを手に取る。
弟が描いてと強請るのだ。
張り切って描くに決まっている、というように。
「猫ちゃん……可愛い」
嬉しそうな声を上げる彼。
それを見てアレクサンダーも"俺も描く俺も!"といって参加した。
そんな兄たちの様子を見てややむくれた表情でいるのは、クラウス。
はしゃぐペルと、彼の持ち物に絵を描くベルトルト。
その様子を見ている彼に、アレクサンダーが声をかけた。
「クラウス、どうした?仏頂面して」
「……別に」
そう呟くようにいうクラウス。
しかし彼は相変わらず仏頂面のままだった。
と、言うのも……
自分も、ペルの持ち物に絵を描いてやりたい。
美術には自信があるのだが……
何せ彼は、右腕を失っている。
上手く描ける自信はなくて、この表情なのだった。
と、その時。
ちょいちょい、と服を引っ張られた。
そうしたのはほかでもない彼の弟……ペルで。
「クラウス兄さんも、描いて……」
そういうペル。
クラウスは目を丸くして、言った。
「!私も?でも、歪になってしまうぞ?」
「いいの、かいて?」
そういって微笑むペル。
クラウスはその言葉にこくり、と頷いた。
「わ、わかった」
そして少し嬉しそうに笑うとクラウスもペルの持ち物に絵を描いてやったのだった。
***
そんな、翌日のこと……――
「せんせ、みて、みて!」
担任教師に嬉しそうに声をかけたのは、ペル。
彼は手にノートを持っている。
それを見て教師はきょとんとしたように瞬きをした。
そして彼が持っていたノートを見る。
「ん、なんだ?おー、可愛いなぁ」
彼のノートには可愛らしい絵が描かれていた。
おそらく彼が見て、といったのはこれだろう。
そう思いながら彼は目を細める。
「兄さんたちに描いてもらったの……!
これ、くろねこさん、マフラー巻いてるの……!
これは、アレクサンダー兄さんがかいてくれたの」
ペルはそういいながら興奮気味に絵を指さす。
確かにそこには紫色のマフラーを巻いた黒猫がかかれていた。
何処となく雰囲気がペルに似ている。
「可愛いなぁ、ペルににてる。
お?これは、犬だな」
教師が気づいたのは、猫にまぎれて書かれていた犬。
ほかの絵に比べると少し線が歪だ。
しかし可愛らしい犬の絵で……
ペルはそれを見て目を丸くした。
「あっ、それは……クラウス兄さんが描いてくれた、ヘフテン」
そういうペル。
教師はその言葉に少し驚いた顔をした。
「え?お友達の?」
彼から何度か名前は聞いている、彼の兄の友人。
ペルがあげたのはその名前で、少し驚いた。
ペルはこくんと頷きながら、言う。
「……ヘフテン、犬っぽいの」
だからクラウス兄さん犬描いた、とペルはいう。
それを聞いた彼は思わず笑った。
「ははっ、そうなのか」
「可愛い……」
そういいながら大事そうにノートを抱きしめるペル。
本当に彼は可愛がられているのだな、と思いながら教師は目を細めて、彼の頭に手を置く。
「よし、じゃあそのノートで勉強も頑張らないとな?」
「うん……!」
授業行ってきます、といってペルはぱたぱたと駆け出していったのだった。
―― Illustration ――
(兄さんたちが描いてくれた可愛い絵。
これなら、勉強も頑張れる、ね?)
(無邪気に笑う弟の顔が見られるならこれくらいのこと、いつだって。
そんなことを言うからブラコンだなんていわれるのだろうか?)