これまで住んでいた家にはオヤヂが残っていたんですが、それも昨日引き払いそこから近くの安いアパートに越しました。
だもんで今日は休みを利用して片付け&整理を手伝うべく出向いてきました。
さて。
あらためて訪ねたかつての住み処は当然のことながらガランとしており、あぁこんなに広かったんだなと感慨に浸りました。
家族が三人で暮らした最後の家。
お袋さんが晩年を過ごし、旅立った家。
これまで住んできた何処よりも泣き笑いした家。
床や壁にあるキズひとつひとつに思い入れがある家。
いくばしかの手荷物の全てを出し、玄関を退く前にもう一度部屋を見渡してみる。
色んな思い出が甦ってくるがいよいよお別れだ。
帽子を脱ぎ、ありがとうございましたと頭を下げる。
最後の荷物を詰め込んだバッグが心なしか肩に重く感じた。
さて。
てな訳でミルクパンもまたそれなりの時間をかけて探していた道具のひとつだ。
色んな店で、とりわけオレの新しい生活圏内にありこれからも世話になるであろう金物屋にも日本製で作りも良く更にプライスdownされてる良品がある。
だが買わなかった。
きっと使いやすいだろうし長持ちしそうだったが、保有する喜びを感じにくいと踏んだからだ。
ところがついに見付けたのだオレの希望するミルクパンを。
場所はオレの職場の最寄りのバス停の真ん前に構えているアンティークショップ。
以前からチェックしときたいと思っていた店だそこにあった。
全ホーローでもう50年くらい前のフランス製。
あちこちに見受けられるキズは当時から生活に馴染んでいた証し。
実によく使い込まれているな。
丁度セール対称品になっていて半額で買えたんだが、それでも金物屋の日本製のそれの二倍弱の値段した。
でも満足している。
頻繁に使うからこそ使ってて嬉しくなるようなモノを手に入れた。
だがしかし。
コイツはどこのブランドだ?
デザインからしてキャサリンホルムだろうか。
おい。
オマエはいったい誰なんだ?
そーいえば平川地一丁目はどこへ?
いい歌を歌っていたのに、とんとその歌声を耳にしなくなりました。
さて。
引っ越し後の片付けも済んで、全ての荷物が収まるべき所に収まりやっと落ち着いて生活らしい生活が始まったとこです。
炊飯鍋で炊くごはんは実に美味しい。
シンプルな生活を心掛け、用意した道具類も必要最低限持ち込んではいるが、イザ暮らしてみれば必要なモノがちらほら発生してくる(笑)
その時は今あるモノで代用可能かどうか調査して不可ならあらためて探して買う。
勿論あわてて買うのではなく、イメージに合致するモノに出会すまで時間をかけて粘り強く探す。
大抵は妥協したモノを買った後にイメージ通りのモノを見付けてしまってまた買いをやらかしてしまうから余計なモノが増える構図。
これは愚かしいし金とモノを生かしきれないことになってしまう。
今はもう載ってないが少し前にとある新聞の朝刊に阿木耀子さんのエッセイが連載されていた。
宇崎さんと結婚した当時、全くお金が無くて貧しかったけど夢と希望に溢れてしかも ふたりとも底抜けの楽天家であったからか悲壮感は感じなかったと。
本当にゼロからの生活は箸一膳からよく選んで揃えていく幸せがあったと。
オレはゼロからではないが、貧しい気持ちでモノ選びをしないように心掛けたい。
当然100均で買うモノだってたくさんあるけれど、末長く頼りにしたい道具には金と敬意を払う。
野田ホーローのストッカーが欲しいんだがちょと高くて買えない(笑)
炊飯器はありません。
手間は掛かりますが炊飯鍋で米を炊きます。
掃除機もありません。
座敷箒で掃き出し窓からゴミを追い払います。
電子レンジもありません。
温める時は蒸し器を使います。
エアコンも付いてませんが石油ストーブでささやかな暖を取ります。
水を張ったやかんを乗せて沸かせば加湿器代わりになるしガス代も節約出来ます。
テレビ?
勿論ありません。
元よりラジオ派のオレは耳から入ってくる音だけで十分に楽しんで暮らせます。
さて。
そのような感じの独り暮らしを一昨日から始めています。
この一ヶ月は急浮上した引っ越しの段取りで目まぐるしく動いてました。
理想の、小さな庭のある古民家は見付かりませんでしたが築37年の雰囲気の良い1Kのアパートを確保し住むことにしました。
家賃もびっくりするほど安いし♪
荷ほどきと片付けはまだまだ残っています。
気が付けば年が明けたのはつい先日のように思ってましたが一月も既に半分を過ぎてますね。
皆々様。
今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。