2015/10/24
Sat
23:29
ゴミ屋敷の主となった母★私たちは“身近な他人”とどう付き合うべきか?…の巻
話題:オススメ本
本屋にあまた並ぶ新刊の中から、読者の本棚に入れたい書籍・コミックを紹介します。
日に日に夜が長くなる秋、どろっと濃くて重たい、その分読み応えもずっしりと詰まった一冊を紹介したい。
■『母は汚屋敷住人』(高嶋あがさ、実業之日本社)
“汚屋敷”に住む母親との壮絶な格闘の日々を振り返ったコミックエッセイ『母は汚屋敷住人』。
生活費節約のために、1人で暮らす母の住む一軒家に同居することにした著者。
しかし、越してみると母の住む家は、ゴミにしか見えない不要な物であふれ、害虫・害獣がはびこる、近所でも問題のゴミ屋敷になっていた。
「親の家の片付け」は、中年世代以上の多くの人が直面するテーマではある。
しかし、高嶋氏の母親は物を捨てることに強迫的な不安を感じ「ゴミ屋敷」をつくってしまう、海外研究では「Hoarder」と呼ばれるタイプで、一般的な「実家の片付け」とは一線を画するものだ。
原形をとどめていない服でも「まだ使う」と言い張る。
娘がゴミを捨てると激怒して罵倒し、すぐ倍の量のゴミを持ち帰ってきてしまう――。
専門書を読み漁りながら、母親と2年間真正面から向き合ってきた著者の戦いは、淡々と描写されているからこそ、1人では太刀打ちできないほど、精神的に消耗するづらいやり取りであることが伝わってくる。
離婚して離れて暮らしていた父と弟のサポートも入り、汚屋敷もある程度は片付くが、著者は自分の生活と精神の安定を優先するために、再び家を離れることを決意する。
それは、100%すっきりするような終わりではまったくくなく、これから何年も続くであろう、母親と家族の攻防を予感させるものだ。
地域の条例を守りながら、母親に気付かれないようゴミを捨てる方法、持ち運べない大きな家具を速やかに出すコツや実際の費用など、「汚屋敷」を普通の家に戻すための具体的な対処法もわかりやすく描かれているが、何より、「まったく話が通じない、それでも関わることをやめられない相手」と根気よく向き合うための、メンタルの保ち方を考えさせられる1冊だ。
(サイゾーウーマン発)
ポイントは、根気よく向かい合うためのメンタルの保ち方。
これが大事。
まだまだ先のある問題だから。
いつかこの問題が終わるその日までの生き方、在り方を知るべし。
ブー(^0_0^)
(^0^)/(^0^)/
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